私の父は、母に対して素直ではなく、あまのじゃくな性格だったらしい。
母が、こうだよね?というと、そうだとは絶対に言わない。
なので、別れるまではいかないけれど、仲は良くない夫婦だった。
母は現在84歳。父は61歳でガンで亡くなった。
今でも父の悪口を言わずにはいられないようで、
話題がそこに行かないように結構会話に気を遣う。
聞いてあげるのが親孝行なのかもしれないが、
正直、自分の父の悪口を聞くのは苦痛だ。
私も子供に「その話何回も聞いた」と言われるが、
本当に何度も聞かされる。
父があまのじゃくな原因は、母にもあるかもしれないが、
口がさけてもそんなことは言えない。
84歳の母に私が抱えてきた母に対するあれもこれもは、
言えば母を責めることになるので、とても言えない。
昔から、「あなたは何でも相談しないで、自分で決める」
と言われてきた。
相談してくれないことが悲しかったのだろうと思う。
母は子供の頃、実母にお灸でせっかんされたことがあり、
その時から母は「母親には絶対に甘えない」と決めた。
小学校の4、5年生位の時だったようだ。
一つ上の姉が女学校に行ったので、自分も行くものだと思って勉強していたが、
就職させられた。
その他、あれもこれも母の不平不満は数え切れないほどあった。
私が子供の頃には気がつかなかったが、母は精神を病んでいたようだ。
母が母親に可愛がられなかった悲しみは今でも消えない。
私は子供の頃から、かわいそうな母だと思ってきたのかもしれない。
母からすると、私は自由奔放で羨ましいと思っているらしいが、
言ってないだけでいろいろ大変だったと言いたいところだが、
やはり言うつもりはない。これからもずっと。
母の大変さにくらべたら、何でもないことだから。
愛されなかったのに、愛してくれてありがとう。お母さん。